サントゥール
■サントゥールは、
サントゥールと呼ばれる楽器は、イラン、イラク、トルコ、アルメニア、インドなど世界中で広く見られます。
しかし英語の表記は、インドではsantoor に対し、イラン、イラクではsanturです。
イランではサントゥールはペルシャの古典音楽として発達しました。
クルミ製の台形の箱に116本の金属弦が張られ、これをくるみの木でできたバチで叩いて演奏します。バチにピアノのハンマーのようなフェルトが付くこともあります。
インドのサントゥールは、カシミール発祥とされています。構造は台形の形をした共鳴箱の上にチェスの駒のようなブリッジが両側に29〜31並び、スチール弦(鋼鉄弦)がそれぞれの駒に3本ずつ左右交互に張ってあります。
低音部だけは2本ずつコイル弦が用いられています。
ギリシャではサントゥーリと呼ばれます。
ハンガリーやルーマニアでのツィンバロン(大型ですが)、ウクライナではツィンバリ、ギリシャではサントゥーリ、ウズベクやタジクのチャングが同系の楽器です。
中国のヤンチンも同系の楽器で、インドから直接ではなく、西洋経由で入ってきました。
モンゴルでは、ヨーチン、朝鮮半島では、ヤングムです。
15〜16世紀のヨーロッパでも活躍し、ドイツやスイス・アルプスのドイツ語圏ではハックブレット、イギリス、アイルランド、アメリカの英語圏ではダルシマー、またはハンマード・ダルシマーとして知られています。
日本にも江戸時代に伝わったとされていますが、使われておりません。
演奏家紹介
●小室真理
http://www.k5.dion.ne.jp/~santoor/index.html
●谷正人
http://d.hatena.ne.jp/tani-masato/